導入背景
兵庫県川西市の「川西市立久代小学校」は当時築29年が経過していました。
竣工時には配管材質に亜鉛めっき鋼管(SGP)を使用していましたが、経年劣化を懸念して、配管を塩化ビニルライニング鋼管(VLP)に更新していました。
しかし、建物の構造上、躯体内部の配管は亜鉛めっき鋼管(SGP)のままでした。そのため配管内の腐食により赤水が発生していました。
赤水とは配管内の水に赤錆が溶け出し、水の色が赤褐色になる減少です。
配管内の赤錆問題を放っておけば、配管内が赤錆で詰まっていく「赤錆閉塞」や、配管から水が漏れる「漏水」など大きな問題へと深刻化していきます。
例えば地震があった際、配管の複数箇所に亀裂が入るなどして「漏水」してしまった場合は、配管の交換をする他、手立てがなくなってしまいます。
配管の交換には多額の費用が発生し、断水工事などによる長期の休業期間が必要になるため、これは大きな損失となります。
そのような自体を避けるがめにも、配管内の赤錆劣化にはできるだけ早急な対応が重要となります。
NMRパイプテクターは配管更新の5分の1〜10分の1の費用で導入することができます。また、配管の外側へ取り付けるだけなので「断水工事」が必要なく、半日〜1日程度で導入することができます。
さらに配管内の水に装置が直接触れず、配管内を削ったり、配管内に薬品と投入することもないため、従来の配管更生方法と比較して安全で衛生的です。電源不要なためランニングコストも掛かりません。
これらの利点からNMRパイプテクターを採用いただきました。
効果検証
本件の川西市立久代小学校では「水質検査」と「内視鏡調査」の2種類の方法でNMRパイプテクターの効果検証をしました。
「水質検査」では配管内の水を採取し、配管内に溶け出している鉄分の値を計測します。
「内視鏡調査」では、内視鏡を使用して配管内の画像を撮影します。その画像から赤錆閉塞率(配管断面を100%として赤錆が占める割合)を測定します。赤錆閉塞は水質検査でわかる結果よりも、ゆっくりと改善していくため数ヶ月〜数年後の検査結果を比較します。
NMRパイプテクターを設置する前と設置した後を比較して効果を検証していきます。
水質検査結果
NMRパイプテクター設置前の水質検査では、配管内の水中の鉄イオン値は0.3㎎/ℓでした。これは水道法の水質基準値0.3mg/lと同じ値です。
NMRパイプテクターを設置してからわずか1週間後には、鉄イオン値が0.02㎎/ℓと大幅に減少しました。さらに設置から5週間後には、鉄イオン値は0.01㎎/ℓとさらに減少し、赤水は完全に解消されました。
設置前 | 1週間後 | 5週間後 | |
---|---|---|---|
鉄イオン値(㎎/ℓ) | 0.30 | 0.02 | 0.01 |
色(度) | 1 | 1度未満 | 1度未満 |
内視鏡調査
1990年3月当時は、まだ配管の継手部周り全体に赤錆の形成が見られました。配管内全体に対して、約69%と半分以上を赤錆が占めており、配管内を閉塞させていました。
1991年6月、NMRパイプテクターを設置してから約1年半後には、配管内の赤錆による閉塞を10%以上も減少させることができました。
まとめ
NMRパイプテクターを設置してからわずか1週間で効果を発揮し、およそ1ヶ月後には赤水問題を改善することができました。
また配管内の赤錆閉塞についても、赤錆をより体積の小さな黒錆に変化させることで、改善しました。
黒錆は水に溶けないため、赤水のような心配はありません。それだけでなく、赤錆が鉄をボロボロに腐食する性質を持つのとは反対に、黒錆は強固な性質のため配管内を強化してくれます。
南部鉄瓶などが、黒錆を鉄のコーティングとして利用されている一例です。
建物名 | 川西市立久代小学校 |
---|---|
所在地 | 兵庫県川西市 |
建物概要 | 築29年、3階建、学校 |
給水方式 | 高架水槽方式 |
設置工事 | 1998年12月2日 |
設置配管/設置数 | 揚水ポンプ二次側揚水配管(SGP 80mm)/PT-100DS×1セット 高架水槽二次側給水配管(SGP 100mm)/PT-100DS×1セット |
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